この記事は↓noteと連動しています。

このnoteは、シェアド・リーダーシップのトレーニング・コース共同開発パートナーである有限会社システムアンドコントロール社(SM&C)の野村代表と、SNS(Slack)にて、シェアド・リーダーシップに関して、普段着の会話をしている内容です。

野村さんは、最上雄太と古くからの友人で、プロジェクト・マネジメントに関する日本で有数の専門家です。PMP: Project Management Professional 向けのトレーニングを提供しています。現在、EQによる自己認識2.0 なるEQを用いたシェアド・リーダーシップトレーニングを共同企画しています。

以下の往復書簡は、野村さん→最上→野村さん→最上と、連続していきます。
いまなお、往復書簡は続いていますが、その内容をこちらで公開いたします。

まず、野村さんの問題提起から往復書簡はスタートします。


「モノローグ」との遭遇 (野村さん)

(野村)私はこの1年、新規事業(製品やサービス)のコンサルティングで大変な状況に遭遇していました。コースをいっしょに提供してきた、古い友人である最上サンが博士になりましたが、私の地獄のような状態に病名と治療薬を示してくれました。つい最近、3月の話です。

(野村)この1年、私は、高額な報酬を得ながら、【なぜかうまくいかない新規事業(製品サービス・顧客)】と戦ってきました。うまくいくはずのロジックだったのに、全く【無反応】でした。

(野村)実際は、ある現象が組織を覆っていたのです。この現象は特別ではなく、設立後5年を経過したあたりの組織では普遍的現象と私は考察しています。おそらくリーダーであれば毎日数回は遭遇する現象でしょう。この会社は設立75年でした。さて、その現象は「モノローグ」と呼ばれます。主体性のないコミュニケーション、です。

さて、次は最上サンに一言投げたいと思います。




(最上)ああ、ひさびさに、あれ(なつかしのメルマガ往復書簡)と理解しました。さて、どこから話をすればよいのでしょう。


「リーダーがいかにリーダーになるのか」 (最上)

(以下全て最上の返信)
野村さんが「地獄のような状態に病名と治療薬を示す」とおっしゃいましたが、それを行うために私もある意味、地獄の10年を味わいました。

10年何をやっていたのか、「ごくごく身近にある、あたり前のことを証明する(確かにある、このようにして現れる)研究」をおこなっていたのです。

あたり前のこと、とは、まさに私の研究テーマ=「リーダーがいかにリーダーになるのか」を解明すること。です。

あるチームが結成され、公式なリーダーが決まっても、その時点ですぐにその公式なリーダーがリーダーとしてメンバーに認められ、チームのなかでリーダーとして機能するわけではありません。それは、チームで活動したことがある人であれば、感覚的に理解できると思います。ここからわかることは、公式なリーダー≠実質的なリーダーということです。

でも、公式なリーダーは、やがて実質的なリーダーになっていきます。もちろん、そうならない場合も多いわけですが。。。仮になったとする場合、その公式なリーダーがそのチームのリーダーになっていった過程・プロセスが「絶対にある」わけですが、なんとリーダーシップ研究では、その「絶対にある」はずの過程・プロセスの研究が見当たらないのです。

「絶対にある」はずの過程・プロセスをすっ飛ばして、結果的にリーダーになった人たちに、どんな特徴があり、どんな行動をするのかという研究を、延々と、脈々と続けてきました。

「どんなリーダーが効果的なの?」
「どういう人がリーダーなの?」

以上のような質問項目のアンケートを、リーダーあるいはフォロワーにとって、そうやって集めたアンケート結果を量的に解析して、効果的なリーダーにはこういう特徴がありますという研究を続けてきたのです。

いつくらいからそれは行われてきたのか?それは1900年すぎてリーダーシップという現象を科学的に調査することを開始して以来、ずっと、です。

超有名な、カリスマ的、変革型リーダーシップ、
2000年以降に注目された、サーバント・リーダーシップ
ちょっと見方を変えた、フォロワーシップ、
最近では、オーセンティック・リーダーシップ
そして、私の専門である、シェアド・リーダーシップについてもそうです。

無論のことながら、そういった研究が意味がないとか、価値がないとか言いたいわけではありません。それらの研究は、いずれも、「ある視点」からリーダーに関する極めて有益な知見をもたらし、リーダーがどうあるべきかについての処方箋を提供してくれています。

しかしながら、全ての研究に共通するのは、もとい、ほぼ全ての研究がそうだと考えられることは、そういうリーダーに、たとえば、カリスマ・リーダーは、こういう人という研究はなされていますが、カリスマ・リーダーになっていく過程・プロセスについての研究が行われていないということです。

すでに述べたような、「あるチームが結成され、公式なリーダーが決まっても、その時点ですぐにその公式なリーダーがリーダーとしてメンバーに認められ、チームのなかでリーダーとして機能しはじめていくのか、を観察し、それをまとめる」という気長な研究を行なう、研究=研究者がいないのです。それがなぜいないのか、については、また別のテーマとして書きましょう。


つまり、長々と書きましたが、「ごくごく身近にある、あたり前のことを証明する(確かにある、このようにして現れる)研究」をおこなっている研究者がいない、それはおかしい、それを明らかにしたい、じゃあ私がやろう、と決めて研究を開始したら、それが190ページの博士論文として仕上げるまでに、10年かかったということです。

この後、書いていくことになると思いますが、その10年間の研究の結果、何がわかったのかをすぐに知りたい方は以下をご覧ください。まっすぐに、野村さんの問いに答えていませんが(笑)

これも、往復書簡ならではということで、野村さんに返します。

シェアド・リーダーシップ往復書簡 Vol.1 モノローグとの遭遇 |SM&C野村代表

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