シェアド・リーダーシップとは

シェアド・リーダーシップとは、「個性豊かなメンバーが互いに変化を与え合い、一人ひとりが自律的にリーダーの役割を担うことでチームが機能する状態」を指します。シェア(Share)とは「共有する」という意味です。したがって、シェアド・リーダーシップでは、ある一人の人がリーダーシップを担うのではなく、集団を構成する人たち全員でリーダーとしての役割=リーダーシップが共有されていくとみなします。

 

オーケストラのハーモニー

シェアド・リーダーシップが成立する状態は、オーケストラが作り出すハーモニー(Harmony)に例えられます。指揮者(リーダー)は、演奏者に音楽の方向性や表現の指示を与える役割を担い、演奏者(フォロワー)は指揮者の意図を理解し、自分の楽器を演奏することで、全体で美しいハーモニーを創り出します。ハーモニーは、指揮者の指揮と、演奏者たちの協奏とが複雑に絡み合う相互作用から生み出されます。

日本の組織への適合性

わが国におけるシェアド・リーダーシップ研究の第一人者であり、『シェアド・リーダーシップ』の著者である立教大学経営学部石川淳教授は、シェアド・リーダーシップは日本の組織にこそ適合性が高いと述べています。その理由について、石川教授は、「日本の組織では個人の職務規範が曖昧であり、相互に助け合いながら職務を遂行する必要があるため、リーダー以外の人が自ら考え自主的に動くことが求められるからである」と解説しています。

経営へのインパクト

シェアド・リーダーシップ発生の効果について、先行研究では、財務実績など組織の業績に貢献するという結果が示されています。

シェアド・リーダーシップ発生の効果性を議論する論文として①Ensley, M. D., Hmieleski, K. M., & Pearce, C. L. (2006). The importance of vertical and shared leadership within new venture top management teams: Implications for the performance of startups.The Leadership Quarterly, 17, 217–231. ②Hmieleski, K. M., Cole, M. S., & Baron, R. A. (2012). Shared authentic leadership and new venture performance.  Journal of Management38(5), 1476-1499. ③Pearce, C. L., & Wassenaar, C. L. (2014). Leadership is like fine wine. Organizational Dynamics43(1), 9-16. など

自律分散型のリーダーシップ

シェアド・リーダーシップは、「自律分散型」のリーダーシップと言われます。シェアド・リーダーシップの特徴の一つは、チームメンバー全員が、自由で自立し、しかし全体としてはバラバラにならずに一つの目標に向けてまとまっているという集団の形にあります。

 通常のリーダーシップの考え方では、リーダーが力強くメンバーを統制し指示や命令を行うことで、そのリーダーにフォロワーがついていくという集団の形をイメージするのではないでしょうか。一方、シェアド・リーダーシップは「自律分散型」であるため、リーダーから指示や命令を受けずにフォロワーが自主的・主体的に自ら考えて行動するようになっているという集団の形を想定しています。

 以上のように、シェアド・リーダーシップ=リーダーの役割をチーム全員が共有(シェア)していくという集団の形をつくる原動力としての変化を導くリーダーをつくるリーダー教育の考え方でありチーム開発の方法論が、EQリーダーシップ@メソッドです。

 

シェアド・リーダーシップの記事

シェアド・リーダーシップのさらに詳しい記事は、以下を参照ください。

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