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チームの信頼を崩す!リーダーのNG行動5選—心理的安全性を損なう落とし穴—

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心理的安全性への注目

心理的安全性とは、組織行動学の権威でハーバード大学のエイミー・エドモンドソン教授(Edmondson, 1999)が提唱した概念です。Googleがいち早く注目した(注1)ことでも知られる心理的安全性は、チームの生産性や創造性を向上させるための重要な要素です。多くのリーダーが「どうすれば部下がついてきてくれるのか」という悩みを抱えていますが、その鍵の一つは心理的安全性を高めることにあります。

注1:Googleは、2012〜2015年に行った「プロジェクト・アリストテレス」で、チームの生産性向上には心理的安全性が重要だと結論づけました。この結果、心理的安全性がリーダーシップにおいて不可欠な要素であることが明らかになり、世界中の企業が注目するようになりました。リーダーシップは、心理的安全性を高めることでチームの成果を大きく引き出す鍵となります。

Edmondson, A. (1999). Psychological safety and learning behavior in work teams. Administrative Science Quarterly44, 350-383.

このコラムは、株式会社IDEASS(イデアス)最上雄太監修するYoutubeチャンネル ライオン博士のリーダーシップアカデミーのアニメ動画と連動しています。ぜひこちらのYoutubeもご覧ください。

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心理的安全性の重要性と効果

心理的安全性とは、「メンバーがリスクを取って発言や意見交換ができる環境」を意味します。部下が「この意見を言っても大丈夫」「失敗しても責められない」と感じる安心感があると、組織やチームはよりオープンなコミュニケーションができ、結果的に高い生産性を発揮します。逆に、心理的に不安な状態では、部下はリーダーに対して意見を出すことに消極的になり、チーム全体のパフォーマンスが低下してしまいます。

心理的安全性を高めることによって得られる主な効果として、以下の点が挙げられます

イノベーションの促進

自由な発言が許される環境では、新しいアイデアが生まれやすくなります。

問題解決のスピード向上

問題を早期に共有でき、チーム全体で協力しやすくなります。

チームワークの向上

お互いにサポートし合う風土が育ち、メンバー間の信頼が強化されます。

このように、リーダーが心理的安全性を意識的に作り出すことは、組織全体の力を引き出すための重要な手段と言えます。

心理的安全性とリーダーシップ研究

リーダーシップにおいて、心理的安全性が重要な役割を果たしていることを示す研究が数多くあります。たとえば、心理的安全性が高いチームでは、メンバーが積極的に意見を交わし、リーダーとの信頼関係が深まることで、チーム全体の生産性や創造性が向上するという結果が報告されています(たとえば、Edmondson, 2004、Carmeliほか2010など)。

しかし、心理的安全性を高めるためには、それを損なうリーダーの行動にも目を向ける必要があります。リーダーの何気ない行動が、実は部下の信頼を揺るがし、心理的安全性を低下させる原因となっていることもあります。これから紹介するのは、心理的安全性を損なうリーダーのNG行動です。これらの行動を避けることで、部下との信頼関係を築きやすくなり、リーダーシップがより効果的になります。

Edmondson, A.C. (2004). Psychological safety, trust, and learning in organizations: A group-level lens. In R.M. Kramer, & K.S. Cook (Eds.), Trust and distrust in organizations:Dilemmas and approaches (pp. 239-272). New York: Russell Sage Foundation.

Carmeli, A., Reiter-Palmon, R., & Ziv, E. (2010). Inclusive leadership and employee involvement in creative tasks in the workplace: The mediating role of psychological safety. Creativity Research Journal22(3), 250-260.

リーダーのNG行動5選

リーダーシップにおいて避けるべき行動を5つ紹介します。これらは心理的安全性を低下させ、部下のモチベーションを削ぐ要因となるので、ぜひ注意していただきたいポイントです。

1. 無視・軽視する発言や態度  

   部下の意見を無視したり軽視すると、心理的安全性は一気に損なわれます。リーダーが意見に反応しないと、部下は「自分は重要ではない」と感じ、発言する意欲を失います。どんな小さな意見にも耳を傾ける姿勢を持つことが重要です。

2. 批判的・感情的な対応  

   感情的に叱責したり、厳しい批判をすることは、部下の自己表現を抑え込んでしまいます。ミスをした際には冷静かつ建設的なフィードバックを心がけ、次に繋がる成長の機会として捉える姿勢が必要です。

3. 一方的・不透明な決定  

   リーダーが突然方針を変更し、理由を説明しない場合、部下は不信感を抱きます。透明性を持って意思決定の過程を共有することが、信頼関係を深めるカギとなります。

4. 差別的発言や態度  

   性別や年齢に基づく差別的な発言は、チーム全体に分断を生みます。リーダーは公平さと尊重を意識し、部下一人一人の個性を大切に扱うべきです。

5. 成果や責任を無視・押し付け  

   成果を無視したり、失敗を部下に押し付ける行為は、チームの士気を著しく低下させます。リーダーは公正な評価と責任分担を行い、チーム全体の信頼感を高めることが求められます。

これらのNG行動を意識的に避けることが、心理的安全性を維持し、強いリーダーシップを発揮するための基盤となります。リーダーであれば、常に注意を心がけるべきであることは言うまでもありません。

一方で、これらのNG行動は無自覚・無意識に行ってしまうという点に注意が必要です。これらの行動は、全て部下が感じ取る感覚や認識です。自分ではやっていないと思っても、部下がそう感じたり、認識したりしている可能性があります。部下の反応について、過剰に警戒したり恐れたりする必要はありませんが、いまの自分の行動はどうだろうかと日々ふりかえる習慣が必要になるでしょう。

心理的安全性を高めるリーダーシップ・アプローチ

心理的安全性を高めるために、いくつかのリーダーシップ・スタイルが効果的です。以下のリーダーシップアプローチは、いずれも部下との信頼関係を築くための有力な手法です。

サーバント・リーダーシップ

リーダーが部下をサポートし、彼らが力を発揮できるようにすることで、チーム全体の成果を高める手法です。

シェアド・リーダーシップ

チーム全員がリーダーシップを分担し、互いに助け合いながら成長していくアプローチです。  

インクルーシブ・リーダーシップ

多様性を尊重し、チーム全員が貢献できる環境を作ることで、組織の力を引き出します。

オーセンティック・リーダーシップ

リーダーが自分の価値観や信念に忠実に行動し、正直で透明性の高いコミュニケーションを通じて信頼を築く手法です。

これらのアプローチは、今後のブログ記事でもさらに詳しく解説していきますので、お楽しみに。

まとめ

心理的安全性が高いチームは、生産性や創造性が向上し、強い信頼関係が築かれます。一方で、無視や批判、差別的な態度などリーダーのNG行動は、心理的安全性を著しく低下させます。効果的なリーダーシップを発揮するためには、シェアド・リーダーシップやサーバント・リーダーシップなど、部下をサポートし、信頼を築くアプローチが求められます。心理的安全性を意識したリーダーシップを取り入れ、部下と強い信頼関係を築いていきましょう。

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  • 次世代リーダー候補は
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  • 根本的な考え方や意識を変えられず、部下とのコミュニケーションが上手くいかない

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