ANAのニュースがテレビをにぎわせている。

確かに、ボンバルディア社製の機体の性能は悪いようだ。



しかし、今回注目したいのは、今井仁機長のコミュニケーション能力である。



飛行機の車輪が出ないということは、自らも危険にさらされていることを一番知っていたはずである。最悪は死もありえることも、脳裏によぎったことだろう。



しかし、同今井仁機長は、事態を冷静に把握、判断し、

管制塔とやりとりをしながら、ベストプラクティスを続けていった。



これは、ルールなのだろうが、

今井仁機長は現在の状況を、正確に乗客に伝え続けた。

前輪が出ないという状況を伝えることは、乗客の恐怖に直結し、下手するとパニック状態を引き起こしてしまう可能性があったが、

今井仁機長の伝達は、完璧に乗客の立場に立ったものであり、

全ての乗客が、現在の状態を頭の中にイメージできたことにより、落ち着いて今井仁機長の声に耳を傾けることができたという。



異常発覚から着陸するまで約2時間あったというが、

今井仁機長から乗客へのメッセージは繰り返し行われ、

それを繰りかえす中で、乗客は「この今井仁機長なら信頼できる」と皆感じたという。



「私はこの事態に対処するための訓練を繰り返し行っています」

この言葉を繰り返し伝えたという。



今井仁機長は乗客を直接見ているわけではない。

乗客は今井仁機長を直接見ているわけではない。

あったのは、今井仁機長の一方的な「声」だけ。



でも、今井仁機長と乗客とのあいだには「ラポール(信頼関係)」が築かれていた。



どうしても前輪が出ないと判断し、胴体着陸を敢行する旨を乗客に告げたときには、乗客は、非常に落ち着いている状態で、全てを今井仁機長に任せる、というか、この今井仁機長なら無事我々を地上に降ろしてくれると信じてやまなかった、という。



今井仁機長の操縦の腕ももちろん素晴らしいが、

一番賞賛に値するのは、今井仁機長の卓越したコミュニケーション能力である。



・相手を励まし<鼓舞激励・感情利用>

・現在の状況を歪曲せずに真摯に伝え<誠実的態度>

・相手の状態を常に認識し<状況認識・他者受容>

・相手が分かりやすいような言葉を選択して<感情理解>

・相手がわかるまで繰り返し伝える<説得・納得のプロセス>

・自分の感情をコントロールする<感情管理>

・信頼(乗客・仲間-乗務員・そして自分)<信頼・自己確信>



以上の学び(教え)が、狭い機体中、高度何千メートルという場にあった。



しかし、ボンバルディアはいただけない。