本日クレーマーに遭遇。

第三者的に観察記録を残してみる。



■状況概要

場所:某鉄道某線、グリーン車両にて

クレームした人(クレーマー):グリーン車乗車客 団塊世代のサラリーマン

クレーム対象者:女性車掌

状況:クレーマーが、始発グリーン車に乗車しようとしたところ。女性車掌が、「清掃終了までお待ちください」といわれたため、一度外に出てクレーマーが待っていたが、女性車掌が後から呼びにこなかったため、クレーマーが炎上。



■クレーマーの様子①

女性車掌が清掃完了を呼びに来るものとばかり思っているクレーマーは、律儀に待ち続けていたが、女性車掌は呼びにくる気配なし。その時点で怒りを抑えきれないクレーマーは、近くにいた別の車掌を呼びつけ、「まだ入って悪いのか、いつまで待たせるつもりだ!!」と激高。そのうち発車のベルがなり、あわてて乗車。

そのまま、先の女性車掌を見つけると、どなりつけ、大声でまくし立てる。

「そもそも清掃なんかしてないじゃないか!いつまで待たせるんだ!」

私は、同じ車両に乗りつけたが、移動するタイミングをはずしそのまま観察することになった。(ちなみに、私はクレーマーの後から乗り込んだ)


■クレーマーの様子②

どうみても怒りを抑えられないクレーマーは、女性車掌をまくし立てる。

そして、

「お前の上司とか、他の車掌が、この状況を説明し、謝罪しない限り、俺はグリーン券の改札をうけない(正確にはタッチ)」と脅す。



■クレーム対象者(女性車掌)の様子

最初、なぜこのクレーマーが怒っているのか、わからない様子だった。

そのため、クレーマーが更に怒りを増した様子。

しかし、状況をつかむと、平謝りしている。丁寧に頭も下げている。

謝罪の内容(言葉)も、それほど悪くない。

すまなかった、という表現はできているように見えた。



■クレーマーの様子③

こうなったらひっこみがつかない様子。

どうしても他の人間を呼ぶことを強要している。

女性車掌は、それを了承し、しばらくお待ちくださいと残し、車掌室にて連絡を取っているようだった。



ここまでを整理すると。



□何がミスだったか

ミス1)女性車掌が、一度退出させた客を放置した。(その後のケアが行き届いていなかった)

ミス2)清掃のために一度入った客を外にわざわざ出してしまうのは、あまりにもマニュアル的(普段同じ線で同じ車両を利用しているがこれまでそういうことはなかった)



□クレーマーの主張

主張1)そもそも清掃をしないのに、外に出すとはどういうことだ。

主張2)外に出してそのままとはどういうことだ。

主張3)乗り遅れたらどうしてくれる



□EQ分析1

たしかに、ミス1は重大である。そのまま放置されたら、誰だって「おや?」と思うに違いない。しかし、「呼びに来るまで正直に待っているのもいかがなものか?」と客観的に見て思う。他の車両を見れば、客は入ってきているのだから、車掌のミスを確認した上で、「そろそろよいか?」と確認しながら入ることはできたはず。

でも、彼にはそのような心の余裕はなかった。



□クレーマーの心理

心理1)中に入ったのに、一度外に出されて、放置された屈辱×2

心理2)ベルが鳴って動転した。



□EQ分析2

外に出された時点で、クレーマーは心理1の状態になっていた。その状態により、彼は既に、感情のリミッターが切れており(管理限界)、観察分析1のような、落ち着いた対応をとる「心の余裕」が残されていなかったと予想される。

つまり、EQ感情のマネジメントにおける、「感情の識別」が完全に不全状態に陥っており、感情アンコントローラブルな状況にあった。

そんなクレーマーは、ただひたすらに怒りのボルテージを上げるというカードしかなかった。



□EQ分析3

それに加えて、心理2が彼の怒りを頂点に達しさせてしまった。

こうなると、まさに誰も彼を止められない。

女性車掌の謝罪もほとんど、耳に入らない様子。

声は大きく、まわりから見ていると、クレーマーの方が迷惑。

誰かを連れてこないと、タッチしない、というやり方は、見ていて滑稽でもあった。

が、クレーマーとしては、それを言いつづけるしかなかった。



□その後の経過

そこから、10分以上、誰かを呼びに行った女性車掌は戻ってこなかった。

おとなしく待つクレーマーの顔をちらちらと観察していたが、

あきらかに、怒りは収まっているように見えた。

残念ながら、最終場面を見ることなく、下車した。

おそらく、クレーマーは、後から来る誰かに、苦情をいいつつ。帰ったことだろう。



□彼のEQ予想

自己コントロール(激低)

精神安定性(激低)

自己主張性(激高)

柔軟性(激低)

感情的被影響性(高め)

自己認識力全般(低い)



タイプとしては、怒りを抑えきれずに、常に部下を感情のままに威圧するタイプ。感情の浮き沈みが激しく、まわりが苦労する。柔軟性が低いため、臨機応変な対応が取れない、融通の利かないタイプ。怒り心頭に達し、取り乱していることをモニタリングするような自己認識力は低い。自分勝手、かつ、暴力性を持っているので、近寄りがたい。そんな自分であるという意識は低いので、学習する機会を自ら失っている。



□もしも彼がEQ能力が高く、感情のマネジメントができていたら・・・

車掌の案内で外に出るかもしれないが、まわりを見れば車掌のミスは明白。

もう一度中に入り、「もうよろしいですか?他の車両では入ってきていますよ」とでも声をかけ、車掌に間違えを促しながら、席に座ることだろう。あえて言うならば、「私はいつも乗車していますが、清掃のために外に出されることはありませんが、いかがでしょう?」と、確認のための問いかけをするかもしれません。案内の仕方の間違えに気づいた女性車掌は、おそらく彼に謝罪を述べ、以後気をつけることを誓ったことだろう。理解してくれた様子を見た彼は「ありがとう」という言葉を女性車掌に残すかもしれない。まわりで見ている人は、彼の冷静かつ配慮の効いた振る舞いについて感心を持ち、彼の人間性を認めることになるかもしれない。



□自分ならどうしただろう?

外に出ろといわれたら、一度驚くが、

その車掌がいないほかの車両から乗り込むかもしれない。それは、ストレスを回避するような行動が予想される。



ストレスフルな人とは、ストレスの源をわざわざ見つけ出し、それを大きくしてしまう傾向があると思う。その原因となるのが、感情の識別能力の低さ、それの基となる、感情の調整能力の低さに起因している。ちょっとしたことで、気持ちのタガがはずれ、あるいみ非社会的な行動をとってしまう。そういう傾向の人の「打ち手」は、一番の原因となるような「あせり」の要素をそもそも減らすこと、あとは、普段から気持ちを落ち着けるようなトレーニング(瞑想、ヨガ、自省)などを行うことだろう。



ちょっと長くなったが、「人の振り見てわが振りなおせ」とはこのことだろう。