質問 : 研修を「時間通りに進める」ためのコツはありますか?

 
私の経験からお伝えすると「時間通りに進める」ことの妨げることの大きな原因は、「時間見積が甘い」かつ「しゃべりすぎる」ことです。そしてこの2つは、「事前に入念にリハーサルする」、つまり事前の準備でほぼ解決できます。
それは、当たり前のことと感じるかもしれませんが、しっかり行うためにはいくつかのポイントがあります。
 
まず始めに、本番さながらに行うことが大切です。私は実際に使うスライドとテキストを使って、当日現場で話しをする内容(実際話す言葉)を、自分の話を聞いている受講者の顔を思い浮かべながら、組み立てます。私の場合、一字一句細かいセリフを作るというよりは、流れとなるキーワードを決めるという感じです。ホワイトボードを使って捕捉すたりする場合には、どのような言葉を書くか、どのように書くかについても、ある程度計画しておきます。ここで受講者に話しかける。とか、少し間を置く。とかまで、できる限り細かく現場の臨場感を持って想起するのです。
 
「そんなことまで?」と思われるかもしれません。
 
事前の落ち着いた状況でこれができない場合には、現場でもうまく行かないものです。これはスポーツ選手のイメージトレーニングと同じだと思います。現場の状況を想定して、自分の心の動きや、受講者の反応まで、できる限りのことを予測してリハーサルを行います。それを通して言葉が洗練され、はじめて適正な時間見積もりができるようになります。
 
加えて、私が5分間話すことを想定した場合、話したいことの半分に言葉数を減らします。私の場合、話したいことの半分位にして、実際の研修の現場ではちょうどよい時間(5分ちょうど)になります。実際の研修の現場では、受講者とのやりとりが入ったり、聞き取りやすくペースを合わせたり、繰り返したりしますので、予定したことを話するためにも時間が倍位かかると思った方がよいのです。もしかしたら、もっと減らしてもよいかと個人的には思います。
 
話してあげたい、伝えてあげたいというサービス精神が「しゃべりすぎる」原因になることが多いものです。想定外に受講者の反応がよかったりして「もう少し話したい」と思う時は要注意です。その後の話は大抵「しゃべりすぎる」ことになるからです。そのような状態の時には、一呼吸置き、以下のような問いかけをしましょう。 
 
  • その話が、本当に今必要か?
  • その話が、研修の目的(セッションの目的)を満たすためにプラスになるか?
  • その話は、自分が話したいだけではないか?
 
ちなみに、即興的に自分の経験談や知識、その場で求められる必要なことを話することは時に大切なことですし、私もよく行いますが、一つの経験談を話す時には最低5分は必要とすることを知っておくとよいでしょう。丁寧に、受講者一人一人に響かせるように話をしようとするなら、実際にはもっと時間を必要とします。このように予定時間をオーバーしても話をしなければならない状況も、実際の研修の場面ではしばしば訪れます。その話に時間を使う必要があるのか、ないのか、常に講師は判断をし続ける必要があります。少なくとも、話して満足しているのは講師だけ。という状況だけは避けたいものですね。
 
適切な時間配分をするために、言葉数を短くするということと、時間の余裕を見積もることも忘れないようにしてください。たとえば講義で10分間話をする見積もりを立てた時には、5分位の余裕を持たせて15分と時間見積もりするという入念さ、大胆さが大切です。
 

今回の教訓:時間管理は、「しゃべり」のマネジメント

 

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