質問 : 「1グループの人数」は何名にするのがいいですか?

  
図1
 
研修目的を満たすために、受講者同士の交流の良否を左右する「1グループの人数」は極めて大切なテーマです。
 
1グループ人数は4名がよいと思います(図1:4名)。私の経験上、4名の場合バランスもよいと思います。ここでいうバランスとは、上図でいう点線の輪で表現するような議論をする時の密集感(お互いに声がよく聞こえ、顔が見え、話題に集中している)です。また、4名の場合、2名-2名にわかれてペアワークもすぐにできるというメリットもあります。しかし全てのグループを4名で分けられれば最高ですが(16名、20名など)、キリのよい人数になるとは限りませんので、その時には3名のチームで調整します(図1:3名)。3名グループでも、4名グループと同じようなバランスを期待できます。
 
3名グループのデメリットは、その中の一人でも参加姿勢が芳しくない場合(研修へのモチベーションが低いなど)にはグループの成果に大きな影響を与えるということです。しかし、私の研修では全体の人数、参加者の構成、研修の目的、を総合的に考慮してあえて1グループ3名で統一することもよくあります。1グループ3名にすると、一人一人により真剣さが求められる状況になります、かつ誰一人「遊べない状況(手を抜けない状況)」をあえてつくり、真剣度を引き出すことも期待できます。同じ時間(たとえば6〜7分)のシェアを行う場合でも、一人当たり話す時間をたくさんとることができるのも1グループ少人数のメリットです。
 
5名1グループを選択することもありますが、1グループ5名の場合には、机を何台にするかを十分に検討する必要があります。1グループ5名にする場合、1グループのテーブルが3台になり(図1:5名)、一人が「お誕生日席」になってしまいます。「お誕生日席」の方は机1台を一人で使えて快適という見方もできますが、他4名の方との距離が遠くなります。実習内容によっては「お誕生日席」の受講者が、実習中にずっと身を乗り出す、立って議論に参加する、という状況がよく発生します。しかし、そのような体勢は長時間は続かないので、結果的に他4名の方を中心とした議論から離れてしまうという可能性があります。つまり、机の配置によって発生する距離が、グループのバランスから「お誕生日席」の方を外し、結果そのグループの全体のバランスを崩してしまうというリスクがあるのです。
 
そのような1グループ5名のリスクは、テーブルを2台(図1:5名-2)にすることで回避できます。このような机の形態を取れれば、4名の時と同じようなバランスをつくることができます。しかしこの場合の「お誕生日席」の方は机の占有スペースが狭くなりますので、適宜同グループ内で席替えを行うなど講師の配慮が大切です。
 
『この(上図5名-2)ような、机の配置をするのはグループの議論を効果的にするためです。「お誕生日席」の方は、順番で交代します。机は共有スペースですので、最低限のものだけ机上に置き、グループとしてのスペースを確保しましょう』
 
などと適宜丁寧に説明し受講者の理解を促進すれば、「お誕生日席」の方のストレスを解消し、かつシェアをすることの意義を高めることができます。
 
1グループ6名は、会場の広さ、準備できる机の数、などの制約がない限りなるべく選択しません。6名1グループの場合、グループで1つのバランスを保つことが難しいからです。人数が多いので盛り上がっているように見えますが、よく観察すると、上図6名のようにバランスが分かれてしまうことがあります。意図せず距離的に話しやすい隣の人同士や、目の合いやすい正面の人と話をしてしまうようになります。1グループの人数が増えると、一人の方がシェアの時間で話すことができる時間配分が少なくなる、あるいは、シェアに予想外の時間がかかることも予想されます。そうなると、研修全体の時間のマネジメントが困難になるというリスクが出てくるのです。
 
つまり、「机の並べ方」やグループの人数構成から発生する物理的な距離や位置関係は、シェアの成果や効果に決定的な要素になりえます。 

今回の教訓:たかが「1グループの人数」とあなどることなかれ

 

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