マネジメントに必要な感性の2つめは『感謝』です。「人を動かす」あるいは、「動かそう」としている意図がそのリーダーに「先んじて」感じられた時、メンバーは「その人に喜んでついていきたい」と思うでしょうか?「人を動かす」ために、どんなに優秀なコミュニケーションスキルを身に付けても、そのリーダー・マネージャーのふるまいの源泉にある意図が、メンバーにとって歓迎されるものでなければ、一時的には認められても、継続的に与える影響力にはなりえないのです。

その感謝は「心からの感謝」である必要があります。「ありがとう」と言えば良いものではありません。もし、うわべだけの感覚で伝えたとしたら、違和感となって相手に伝わるでしょう。うわべの違和感は、あなたが他者からうけたものについては、よくわかるはずです。それと同じような感覚を、チームメンバーは、あなたと同じか、それ以上の感覚をもって感じ取るのです。つまり「心からの感謝」を出そうとするチャレンジは、リーダー・マネージャーとしての、根源的な知覚(感情と認識)の組み換えを要求します。

決断の反対は、辞書の意味とは異なりますが、『防衛』です。「感謝」が相手に対して自分の感覚を開き、双方向の経路を確立させるための手段だとしたら、「防衛」はその経路の自己都合による遮断を意味します。なぜ相手は心を開かないのか、なぜ相手は信頼を寄せてくれないのか、その理由として、「そもそも自分が守っているから」である場合は多いのではないでしょうか?「防衛」している自分と素直に向き合い、その制限との折り合い(内省・ふりかえり)を行うことこそが「心からの感謝」のための第一歩です。

『決断』マネジメントに必要な感性1/3
『配慮』マネジメントに必要な感性3/3

内省・ふりかえりについてはこちら(Webbook第4章「ふりかえる」)