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富士登山を成功させるために大切なことは

深呼吸しながら登る。

その一言に尽きる。

事前の登山情報などにも、良く書いてあったが、

現地に行くと、その大切さが、身にしみてわかる。

登り進むタイミングで、息を細く長く吐き出し、そして吸う。

呼吸のためには、息を吸う必要があるが、

息を吸う為には、息を吐くという前提が必要。

肺の空気を全て押し出すほどに、息を吐く。

息を吸い、吐く、という正反対の動作は、実に連動し、緻密に関連していることが

良くわかる。

息が苦しくなればなるほど、吸いたくなるのだが

苦しいときには、肺が小さくなっているので、そのままでは酸素が入ってこない。

この感覚は、3000メートルを越えた環境に立ってはじめてわかった。

正しく心臓に酸素を供給しないと、2~3歩ほどのミスで、胸が苦しくなってくるのがわかる。

そんな体からの緊急メッセージを敏感に受け取りながら、心臓を正しく動かすために、呼吸をする。

「なんてストイックな世界なんだ」

と思いながら、体内の酸素量に全神経を使う。

登るための筋力とかは、その次の問題。

富士山程度だったら、それほどの筋力は必要ないかもしれない。

必要なのは、身体の状態管理、そのためにペースを守ること。

富士に向かう4日ほど前から、酸素粒をのみ始めていたことも良かったのかもしれない。

同行者(同じツアーの人達)の様子を見ていてわかったのだが

一旦体の酸素が少なくなると、その場で酸素缶などに頼っても、なかなか回復しないようだ。

ちなみに、私は酸素缶は持っていかなかった。

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9合目、頂上、お鉢めぐり、

そのあたりの高度(標高3500~3700メートル)になると、少しの傾斜でも、心臓にガツンと来るのがわかる。

あせらず、じっくり、ゆっくりと、深呼吸。

この積み重ねをすることで、あるところから、身体がフワッと軽くなるような感覚があった。

酸素が足りて、心臓が満足しているような状態。 

なんだか幸せになるようなとても心地のよい身体の感覚だった。

こんな状態を体験できたのは初めてだった。

身体の感覚を研ぎ澄まして、身体に必要なこと(深呼吸)を愚直に続ける。

苦しさと常に背中合わせの世界だが、このストイックな世界は自分に合っているかもしれないなと

頂上に立った時、ふと思った。