五木寛之 (2007) 『人間の関係』 凸版印刷株式会社



タイトルに惹かれて買う。
エッセイ的で、「読み物」としては面白い。が、結構あっさりしている。



その中で印象的なのは、
『すべての行為は、自分にかえって来る』という一節 p163



そのために、感謝を求めない心が大切であるという。

・・・お布施は、貧しい人や困っている人たちにするものであるが、
行として考えると、それは自分のためにする行為であって、相手から感謝をうけることを期待するのは間違いだということに気づきます。
布施という機会を与えられ、それによって自分が幸せになるのですから、むしろ、こちらの方が合掌し、「ありがとう」といわなければならない・・・



・・・すべての行いは、自分にかえって来る。だから、自分がより良い人生をおくる絶好のチャンスを与えてもらったことに感謝しなさい。そういう考え方が、布施の根底にはあるような気がするのです・・・



何かをしてあげたとき、つい、感謝の気持ちを相手に求めようとするが、
それは、自分のその行為自体にエゴが存在する可能性がある。
つまり、「してあげているのだから、感謝せよ」という、強制である。
してあげている時点で、すでに見返りを求めており、実はその心は作為的であるとも解釈できる。



もちろん、施された側に立てば、謙虚に真摯に、相手に感謝を伝えるべきであるが、
施す側としての心構えとして、その機会自体をありがたく思うような前提を持つべきであることを再認識させられた。



自分を振り返れば、研修やセミナーの場がそれにあたる。
自分の話に耳を傾けていただけたことに、心から感謝しなければならない。