
ゴールマンは、感情コンピテンスの特徴を以下のようにまとめている。まず第1に、それぞれが独立していることである。これらは、それぞれが職務実績に独自の貢献を行う。第2は、相互依存的である。それぞれの因子がときに強く関連しあいながら、ほかの能力のいくつかに依存している。
そして第3に、階層構造を形成していくことである。感情コンピテンスは、お互いに積み重なったかたちで構築されている。たとえば自己認識因子は自己統制因子と共感力因子にとって不可欠なベースとなる。さらに、自己統制因子と自己意識因子はモチベーション因子に貢献する。そして、これらの4つの感情コンピテンスすべてが社会的スキル因子として発揮される。
第4に、必要条件であっても十分条件ではないことである。つまり基盤となるEQを備えていても、人々が協調やリーダーシップといったEQに付随したコンピテンスを伸ばし、発揮するとはかぎらないのである。組織の風土、その個人の職務に対する興味といった要因が、コンピテンスが発揮されるか否かを決定している。第5に、包括的であるということである。これは、感情コンピテンスの共通リストがすべての職務にある程度まで適用可能であることを示している。しかし、それぞれの職務では、それぞれに異なったコンピテンスの組み合わせが要求されるのである。