知覚のフィルター-セルフコンセプト

人間の知覚の不思議(2)

知覚のフィルターが「自分の世界モデル」を作り出す

知覚のフィルター

私たちは、自分の周りにある世界を五感で感じ取ります。
そして、感じ取った情報を「知覚のフィルター」によってろ過し、独自の「意味」を創り上げていきます。この独自の意味を「自分の世界モデル」と呼びます。

人は誰でも、他者とは異なる「自分の世界モデル」を持っており、それを基にした自分だけのオリジナル映画を観るように、目の前に広がる世界を捉え、「それこそがありのままの現実だ!」と考えています。

個人の「信念や価値観」で、ろ過される

上の図をもう一度よくご覧ください。

この会議の参加者は「建物」について話をしています。しかし、1つの内容について話をしていても、実はそれぞれの頭の中に描かれているイメージはバラバラです。
では、前述のピカソの逸話においては、ピカソと質問した男のどちらが、ありのままの現実を見ているのでしょうか?
実は2人にとっては、それぞれがありのままの現実なのです。同じ対象を捉えているのに、それぞれが描き出すイメージが異なるのは、個々人の知覚のフィルターが異なるからです。

知覚のフィルターは、経験や文化、言語、信念や価値観、興味・関心、思い込みなどによって千差万別であり、人それぞれ独自のろ過装置を持っています。ろ過するプロセスもまたさまざまです。
ある1つの情報を取り上げ、それ以外を破棄してしまったり(削除のフィルター)、AとBという異なる事実をひと括りのものとして考えてしまったり(一般化のフィルター)、1つの事実を自分なりの味付けによって都合の良い内容に変えてしまったり(歪曲のフィルター)──こうした多種多彩なプロセスがあります。

また、このフィルターは何層も重なり合っており、それによって1つの事実がろ過されることで、最終的にその人独自の「意味」が抽出されます。そして、自分がいま信じている真実、そうだと思っている事実であるその抽出物に、自分がふさわしいと思う言葉をつける(意味付ける)のです。

 

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